こんにちは!学ぼう会のおかもとです。
3月も半ばに入り、電車内で胸に桜のコサージュを付けた学生さんたちの姿を目にするようになりました。
出会いと別れ…新しい門出…清々しい姿にパワーを貰っています。
今回は連載vol.3になります。
~もくじ~
この世は何でも思い通りになるパラダイスではありません。
苦しんだり、悩んだり、悲しんだりする経験がないまま一生を終える人はどこにもいません。これはこの世の理(ことわり)です。光と影があるように、水と油があるように、好きと嫌いがあるように、相反するものが対になって存在するのがこの世の中だからです。
結局、正誤の区別もないのでしょう。どちらも必要があるからこの世から無くなることがないのだと思います。
そう考えると大切なのは、「ネガティブな感情や本人が望んでいない苦しい経験は“よくないこと ではない”」ということになります。これは、私が大きく変わって気づいたものです。
何事も自分の思い通りになる人生を歩んでいたら、いま、どんな自分になっていると思いますか?
私はきっと環境にあぐらをかいて、周りの人たちに思いを寄せることなく、思い通りにならない人や物事があれば非難して、自らの正当性ばかりに執着したと思います。
辛い経験に悩み苦しみ、そこから抜け出すには結局、自分自身を変えていくしかないということが明らかになって初めて自己成長への切符が手に入るのです。そして、少しずつの成長にふさわしい喜びと感動が得ながら自分が変わっていくです。それは、らせん状に少しずつ伸びていくイメージです。
だからこそ、どんなことであれ他責(自分以外の誰かのせい、何かのせい)の結論で終えては何の変化もない、ということが分かります。
確かに、世の中は不条理な出来事が多いのは否めません。自分を律し、誠意をもって生きていこうと思えば思うほど割を食うようなことに遭ったりもします。口惜しい思いで、世を憂い、恨めしさを感じることもあるでしょう。
でも、この経験が自分に教えてくれることがあるのです(辛いけれど…)。
これが腑に落ちるとどんなことが起きても、今度は「私に何を教えてくれているの?」という捉え方ができて、「誰のせい」「何のせい」には視線が向かなくなります。こうなれば、天地が一気にひっくり返ってラッキーチャンスに変わることもあるから不思議です。
ただ、これを無理なく自然にできるようになるまでは、それはそれは長い道のりを要することが私の経験から言えます。(私もゆうに10年以上はかかりました)
自分にとって苦しい経験は、すべて自分の心を磨く研磨石のようです。
子育ては大きな幸せを感じる一方で、辛く苦しい経験でもあるということを多くのお母さん方なら頷いていただけるのではないでしょうか。
つまり、我が子は最も愛しい研磨石なのでしょう。
最も愛しい存在である一方で、思い悩むタネにもなり、自分を大きく成長させてくれるのが我が子です。親としての責任、子どもへの期待、夢や希望…子育ての過程でさまざまな感情や思考を経験させてもらいます。他人であれば一定の距離を置いて冷静に向き合うことができても、我が子のこととなると自分のことように感じ、割り切って考えることができません。
だからこそ、我が子は親の心を磨いてくれるのでしょうね。
子育てという経験がなければ大きな気づきの機会が生まれません。素直に自分自身を見つめなおそうと思う勇気も出ません。他人とは距離を置けば済みますが、そういかないのが親子だからです。離れれば楽になるわけではありません。一方で、我が子が自分の思い通りになると思って接すれば、やがて子どもの心はもう手が届かないほど遠くに離れていきます。
子どもを産めば親になれるのではなくて、少しずつ親にしてもらう…これは私が主宰する『「お母さん」を学ぼう会』のメインテーマです。我が子が親の手を借りず自立を始めた時、ようやく親になることをゴールとして設定して、自分が親へと成長するために自身に向き合うワークショップを行っています。
ここで、親である私たち自身が子どもだったころの環境、親との関係、家族のカタチ…が、自分の人生に大きく影響することを知ります。
抱えている問題は今起きていることでも、実は問題と自分を紐づけているものは、自分の心の奥、潜在意識下にあるコアパーソナリティ(子どものころの自分の育ちの過程に刻まれた信念価値観、思い込みによって形成された人格)によるものが最も大きいのです。
長く自分を守ってきた、Vol.1で書いたパンドラの箱(コアパーソナリティー)を見る作業はとても辛く苦しいものです。もしかしたら、この作業こそが最も苦しく辛い「サイテー」な経験になるかもしれません。でも、この箱を見つけ出し、そっと開けてひとつひとつ確認し、本来の自分の宝物へと替えることができたら…最幸の子育て、、、いや、最幸の人生を手に入れることができるように思います。
見たくないものに対して向き合う勇気と、他責にすり替えない覚悟と、「やりきれる!」と自分を信じる力さえあれば、パンドラの箱は最幸の宝箱にチェンジできます。この作業をするための安心安全の場づくりが私の使命だと思っています。
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