こんにちは!学ぼう会のおかもとです。
春分が過ぎ、新年度や新学期が目の前です。特に大きな変化のない私でも、なんとなく「気持ちを新たに…」したくなります。
~もくじ~
当会のプログラムに参加される方々は一人ひとり抱えているお悩みや問題は違いますが、すべては人間関係から起因しています。
有名な心理学者アドラーが語った「すべての悩みは対人関係の悩みである」という言葉は、人間が社会的動物である真理をついていると思います。
この人間関係は職場や地域のコミュニティ、知人・友人などいろいろですが、まずは、ココサポ・プログラムでは自分の人間関係の中心となる『家族』という最小で最密な関係について焦点を当てていきます。
それは、家族関係が結果としてその外枠を築くすべての人間関係に影響しているからです。
木に例えれば、咲く花、つける実に問題があるように見えて、実は、根っこと根をはる土壌に大きな原因がある…そんな考え方です。
ココサポ・プログラムでさまざまなワークショップを行いながら自分自身の内面を深めていくと、まずは自分が生まれ育まれた土壌…つまり、自分の家族・家庭が自分の根っこに位置していることが分かります。
まっさらな状態でこの世に誕生し育てられてきた家庭という場は、本人にとっては世界の全てです。この世界と全く違うものがあるということは、だいぶ成長してからでないと気づくことができません。いや、大人になっても他者の家庭のリアルについて実感を伴って理解することはできないでしょう。
つまり、自分が生まれ育った過程が自分の根を下ろした場所になっているのです。
周囲から見たら「おかしい」「問題だらけ」「奇妙」…行儀の悪い言い方をすれば「ヤバい」家族関係だとしても、ここに生まれて育ってきた人間にとっては当たり前の環境なのです。ここに当然ながら存在する暗黙のルール、信念価値観、力関係の下で家族が生活しているのです。
ここで、ひとつの家族(家庭)を小さな国に仮定しましょう。
・国王は誰ですか?大統領や首領がいるならそれは誰ですか?
・絶対君主制ですか?
・国を動かしている黒幕の存在は?
・民主的ですか?専制的ですか?封建的ですか?
・国は経済はどうですか?
・国にはどんなルールがありますか?
・国民同士の関係はどうですか?仲が良いですか?険悪ですか?
・国王や首領は国民の声に耳を傾けていますか?
・国民は自由に発言、ふるまえますか?
…国民は、国を捨てて亡命したいと思ったことはありますか?
・国民の希望で独立が認められますか?
・独立後は従属国ではなく独立国として認められますか?
あなたの生まれ育った国(家庭)、結婚し自分で築いた国(家庭)はどうでしょう。
国(家庭)の実権を握っている人(ここでは以降、「首領」と表現します)は国民(首領に従う人、例えば子ども)の声に耳を傾けているでしょうか?
国民に問題が起きている場合、国民は自分の意見を首領に言えない場合があります。「苦しい…」「辛い…」とまでは言えたとしても、その大きな原因が実は国に在るという肝心な事は首領には言えません。優しい国民であればあるほど、自分の中に抱えてしまいます。
結果、国民は独立どころか外交(外部とのコミュニケーション)から遠ざかろうとします。できるだけ国の中にとどまり、問題が生まれにくい環境の中で自分の身を守ろうとします。
このことは社会と似ているように思います。
世の中で起きている…つまり国民が起こす事件や事故は、一見、個人的な問題から起きたように見えます。テレビのワイドショーでは事件や事故を取り扱って「誰が悪い」「何がいけない」という意味のない問答で時間を費やします。
不思議だと思いませんか?事件や事故のたびに各界の専門家などを招いて再発防止の検討がされているのに、問題が改善されないどころか、年々、痛ましい事件事故が増えているような気がします。
なぜでしょう…。
実際の国という単位で見ると広くなりすぎて関係も複雑なので捉えづらいかもしれませんが、根っこが改善されない限り問題は減らない…。今の腐敗した政治を思えば容易に理解できるでしょう。
問題は根っこなのです。
家庭をひとつの国に例えて、国民…つまり子どもに何かしらの問題が起きているのだとしたら、その子に問題があるのではなく、家庭に問題があると捉える勇気を親が持てたとき、その家庭に新しい風が吹き込んでくるのです。
実は、この勇気はなかなか持てる人はいません。
一生懸命に子育てや家庭のことを頑張ってきた人であれば、自分を否定されたり批判されたりしたくはないはず。当然のことです。
「自分は精一杯、頑張ってきた」のですから。
結果的に、問題はどんどんこじれていきますが、対外に対して「うまくいっている」「仲良し」と表現することで子どもが自分の意見を発するすき間を埋めて、どんどん家族の内側へ閉じこもってしまうケースもあります。
もし、ご家族に何かしらの問題を抱えているのであれば、まずは、本人ではなく親自身が大きく変わる必要がある…という視点を持っていただきたいのです。
子どもに問題が起きた時、子どもと子どもを取り巻く環境や他人に焦点を当てるのではなく、親である自分と徹底的に向き合う勇気がある人だけが手に入る新しい世界をココサポ・プログラムで提供しています。
はじめはお子さんの問題で通っていた方が、長い時間をかけてご自身に向き合い続けた結果、家族の問題が解消されただけでなく、ご自身の人生まで大きく変えた人がたくさんいます。
こじれた問題を突破するカギを手に入れた方、本来の自分を手に入れた方、無駄な力が抜けて自分のペースで歩みを進められた方…などなど。新しい自分にであうと取り巻く世界が一新します。私はこの素晴らしい変化をたくさん見てきました。みなさんの生き生きとした姿、様子に触れるたびに、「この場所を作って良かった」と思います。
『春分』を越えたので「新しい自分に出合う」をテーマで書いてみました。
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